YUKI(ATELIER24PAIRS)の活動記録とか日々のつぶやき
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Parisの鹿

こちらのブログへは、『ボビンレース』のワード検索でお越しの方がほとんどのご様子なのにもかかわらず、
風景や動物ちゃんたちのお写真ばかりでごめんなさい…

鹿ちゃん続きだったから、というわけではありませんが(笑)、今日は1枚、レースの写真を。
Parisの鹿_f0108001_22083117.jpeg

This 'Paris' lace is designed for my love of a superb work of Ms. Irma Neyrinck-Van Herck, just for my study, not for commercial purposes.

これは、Parisという種類に分類されるボビンレースです。
大きさは、ハガキよりちょっと小さいくらい。
フリーソフトが使いこなせてなくて、とんでもないところにクレジット入っちゃってごめんなさい=
なおしかた、わかりません…

ボビンレースをいちから学び始めた頃、ほんの初心者だった頃に、昔ながらのデザインを伝承していらっしゃった方による(ベルギーの方で故人)オーバルのテーブルマットの縁取りレースのようなパターンが出版されているものを見かけて、
そのパターンの中にいてひとめ惚れした鹿ちゃん♡を、自分でもデザインできるようになりたくて製図&織ったものです。

糸は昔はリネン糸がメインで織られていましたが、だんだんと綿糸が使われるようになり、今は専らエジプト綿70番と輪郭線用の太糸(専ら刺繍糸)を使って織ります。

わたしの周りでは『パリ地』と呼ばれているParisレースに独特の、あ、そうそう、point de Parisってフランス語では呼ばれているのですけれど、英語ではParis groundですネ、そう呼ばれるグランド、つまり地織の中に、太糸で輪郭をふちどった動物だのお花だの幾何学模様だのを配置しているのが特徴です。

パリ地は、バンシュはもちろんシャンティーのアンティークものにも使われているものがありますが、それらはまた別の分類になります

歴史的な経緯は専門書などに記述がありますが、メインの生産地でもないのになんでParis lace と、地名でパリがついているのかについては、よ〜わかりませんな〜ってところなので、ここでは省きます。

とりあえず、パリ地にギンプで囲まれたモチーフが配置されているレースは、ベルギーがメインの生産地であるタイプのものについても、分類ではパリ・レースになるということのようです。

以前、銀座の和光でアンティークレースの展覧会があったときに、Parisレースの各種アニマルモチーフが織り込まれた巨大なベッドカバーを見ましたが(糸は、ep70っていうより、フリージア(リネン)の80番くらいで、ギンプはタコ糸くらいの太い丈夫そうなものだったような…ガラス越しだから微妙ですが)、
太糸でモチーフの輪郭を囲む手法なので、バンシュだと糸の動きを考えると眩暈がしてしまうようなアニマル柄とか花柄なんかが、けっこう楽々と表現できちゃうのですよね。

だから、師匠に習うようになって、あまりに製図にてこずるもので(…)、Parisは製図するより柄だけ配置して適当に織るのが手っ取り早いのよね~って言われたときは、白目をむきそうになったのですが(苦笑)、昔の熟練した織り手さんたちにとっては、白糸で埋めていく塗り絵感覚だったのかもしれませんね(?)ワタシには無理ですが…

ということで、もちろん、上の写真の鹿ちゃんのは、糸の動きをオリジナルのフォーマット上に改めて一からしっかり製図しました。
が、そもそもパリという種類のレースを織ったことすら無かったので、当然、製図のルールも知らないわけで、無謀もいいところ…
ほんとに師匠には頭が上がりません…

製図もたぶん、レッスンで10回はかかったし、その都度、師匠には手直し(というか、その都度ほとんど全面書き直しに近かったです…)していただいて、
ちょっと心が折れかけましたけれど、鹿ちゃんのモチーフは何年も憧れていたものだったので、ほとんど勢いで無我夢中(師匠にはほんとにいい迷惑…あ=冷や汗)で、仕上げました。

で、バンシュとパリを当時は同時進行で習っていたわけですが、糸の動きの約束事や微妙な動かし具合とか角度とか、そこらへんの違いを消化するのは私の頭にはハードル高すぎて、
しばらく、パリの糸の動きでバンシュを書いちゃったり(…)

ということで、その後、Parisレースの習作はいくつか製図して試作したりもしましたが、
太糸=ギンプを使わないバンシュの方が、織るときなんとなく楽なので(個人的な好みです…)、今はバンシュに集中しています。

でも、お絵かきが得意な人だったら、Parisレースを製図するのは、とても楽しいことだと思います♪
アンティーク写しの柄などをレースに織りあげると、やっぱり、宝物感がたまりません~

上の鹿ちゃんのは、お手製マットでちょっと遊んでフレーミングしてみました。
なんとなく、そのまま、紫外線にあてないようにと箱に入れてしまってあって、たま~にひっぱりだして眺めては、ひとりで喜んでマス(笑)
師匠に習い始めた頃の思い出のつまった、ちょっとこそばゆい宝物です。

さてさて、ずいぶん長話になっちゃいました。
このへんで☆

<追記>
アップしてから、あ~そういえば微妙かも?と念のため。
モチーフ自体は鹿も草花柄もそれぞれ、Parisにはよくあるモチーフですが、アンティーク写しで出版されていたIrma Neyrinck-Van Herckさんのオーバルの作品の柄がとても素敵なので、その一部のフォルムを活かして1枚の絵のように構成し、織り方をいちから製図しました。
アンティークのレースを自力でパターン起こしするのは著作権が切れていますから問題ないのですが、ベルギーでアンティーク写しのもののパターン図が出版されたのが何十年か前とはいえ出版された方の著作権が完全に切れるタイミングではありませんし、伝統柄のデザインではあるものの微妙なので、ここに明記しておきます。
別に商業目的で製図してものではない習作ですし、最近、デザインのパクり問題がよく騒ぎになりますので念のため。
イメージとしては、日本の古代裂を復元したものが素晴らしいと思って、古代裂の中の鹿ちゃんとお気に入りのお花柄のフォルムを参考にオリジナルのフォーマットに配置して、個人的な楽しみとお勉強のために織ってみた、っていうかんじです。




# by lacecafe | 2016-02-24 12:11 | ボビンレース

モノノケにあやかる?(笑)

この年末年始は、ほんとに暖かくて、お散歩がてら立ち寄った京都の北野天満宮では、境内の梅が6分咲きくらいになっていてびっくり。
そんなあたたかさもあってか、ほんわか気分でゆるんでいたワタシですが、寒さもいいものですネ、昨日からの冷え込みで、なんだか心身ともにちょっとシャキっとしてきた気がします。
やっぱり、四季のある国生まれだから、(寒すぎるのは嫌だけれど…)1年のうちには真冬の寒さも到来しないと調子が狂っちゃうのかもしれません。

遅れ気味の製図&試作ですが、なんかいい解決法はなかろうか…と、あれこれアイデアが降ってくるのを待ってもいたり^^;
行き詰ったな~と思ったら、とりあえずお掃除(笑)か、棚の整理(これもけっこうかなり頭を使う…というか、ヒラメキ待ちの時間の方が実際にはかなり長かったり)をしたり、
そこまで時間が無いときは、森の写真を眺めて癒されたり、
モノノケにあやかる?(笑)_f0108001_08591984.jpg
そんなこんなで気分転換する今日この頃。
↑地味だけれど、けっこう効き目のあるのが上の写真♪
 もののけ姫の映像のイメージソースになった森だそう。
 気楽なトレッキングコースでの一風景です^^

学生の頃に思っていた理想の生活のパターンのひとつに、
1年のほとんどを静かな山奥で何かを制作して過ごして、ときどき里に(笑)降りてきてあちらこちらに出かけたり人に会ったり賑やかに過ごしたり~なんていうのがありました。
やっぱり、人工物の無い静かな森の中にいると、視覚や聴覚や嗅覚、皮膚の感覚から、くもりが抜けていくような、細胞が急に深呼吸しはじめるような感覚がして、ほっとします…

さてさて、ではでは、今日の作業にとりかかることといたします☆
製図上ではまるく描いているものが、織るとタテ長になっちゃうというのは、バンシュではよくあることなのですけれど(…)、意外とデザイン的に「結果タテ長」も悪くないかも…とこのまま放置してみちゃう???とか悩み中。

「タテ長になるのも意図のうちです♡」
ってエクスキューズ入れちゃおうかしらん(爆)
では、このへんで。


# by lacecafe | 2016-01-13 09:35 | 日々のこと

はじめまして

はじめまして。

Yukiと申します058.gif

子供の頃、ベルサイユのばらが流行った影響なのか、見たこともないのに

「本物のレースって、きっとこんなかんじのもの」

なんて、イメージがず~っと頭の中のどこかにありました。

それは、いったいどんなふうにつくられるのか、何の糸で織られているのかは知らないのだけれど、でも、薄くて透けるように細い糸で、バラなどの植物モチーフが織られたとても華やかなもの。

10年ほどまえに、アンティークレースの一種にボビンを使って織るボビンレースという手法のものがあることを知って、自分で織れるようになれば憧れるようなレースを手に取ることができるじゃない♪と、先生を探して習い始めました。

ボビンレースにもいろいろ~なレースの種類が、時代や地域ごとにあって、自分が好きなレースはどのようなものかしら、と、ひとつひとつ向き合っていくうちに、ようやく、自分のつくってみたいレースのタイプが見えてきました。
初めの頃は、憧ればかりが先にたっておぼれてばかりで、「自分のイメージ」と「実際にできること」のギャップを埋めることができなかったところから、つくれそうなものってどんなものかな~というふうに発想転換できるまでに何年かかったことやら(苦笑)

自分でデザインして、それを織る。
そんな楽しみかたが少しずつ、できるようになってきて。

そんなことをしていると、あっというまに時間が経ってしまうから、そんなボビンレースや日々のことを、つれづれにしたためていこうと思います。

手仕事好きな人たちとテーブル囲んでお茶しつつ、レースを織る時間が好きです…

ボビンレースって、いろいろな楽しみかたがあるけれど、まだまだワクワクするような使いかたや贈りかたはあるかも、と、そんなこと考える妄想タイムも大好き(笑)

以前、私がボビンレースを知らなかったように、ボビンレース自体がどんなものか知らないのだけれども「こんなの好き!」って思う人とブログを通じて出会えて、その方々のボビンレースをはじめるきっかけになったり、お手伝いできたら、とてもうれしいです。

更新は、できるだけ週に1度はしたいな~と思っていますが、しばらくは成り行きで。
写真のアップができるようにがんばってみます♪
コメントのお返事は、そんなこんなで遅れることがあるかもしれませんが、気長にどうぞおつきあいくださいませ(ひらにひらに)

2014年のクリスマスイヴの日に。
40代も半ば、これからの時間が素敵に織りなされて、いつか振り返った時にニッコリ微笑むことができますように。



# by lacecafe | 2014-12-24 14:08 | 自己紹介