アンティークレース展@横浜 <追記あり>

あと一週間で終了ですが、レース好きにはたまらない展覧会が。
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気の遠くなるくらい巨大で精緻の限りを尽くしたアンティークレースの数々が、
え、まだあるんですか???と順路の角を曲がるたびに思うくらいに、
予想以上の質と量で展示されていました。

ルイ14世〜ナポレオン3世までのフランス王家由来の品々は圧巻…

私が被ってる帽子のブリムがガラスにへばりつくようにジーッと観てメモしまくっているものだから、レース関係者と思われたのか、
このレースって、何用のものなのですか?と、
観覧中の方からご質問をいただいたのは、
ルイ15世のウェディング用のフラウンスでしたが、
気持ちはわかります…

幅63cm長さ4メートル。
華麗で超ゴージャスなデザインのデュセス的なモチーフの強烈に凝ったのがギッシリ配置されているのを、超手間のかかるテクニックでつなげているっていう、レースの素人でもわかるであろう、ありえなさ。
<追記1>デュセス的なモチーフとしたのは、一般的にボビンレースを習っていてデュセスという名称で呼ばれるレースのテクニックで織れるモチーフだったからですが、それは個人的な消化表現で、学術的には厳密には表現が時代的に異なるかと思います。
そのあたりは、直接、ダイアンさんなど専門家の方にうかがう機会があったら教えていただきたいものです…
<追記2>モチーフをつなげる超手間のかかるテクニックですが、あまりにくっきりかっちり丈夫そうにきれいに施されていたので、ガラス越しに遠目に観た印象で、ルイ15世がらみの超贅沢なレースだしニードルでわざわざつないでるんだろうなぁ…と思ったのですが、このレースの分類はブリュッセル・レースだし、となると、あれってボビンで四つ組みですよね…私はデュセスで4つ組でつなげると、モチーフと同じ太さの極細糸を使うからなのかテクニックがダメなのか、弱々しいかんじになるんですよね…実物はどうなのでしょう…ダイアンさんにレクチャーしていただきたいです…うるうる
追記以上

フラウンスですから、一般的にはドレスなどのひだ飾り裾飾り用なんですけれど、ブルボン朝最盛期のロイヤルウェディングですから、ホントにそれ用に発注して、実際にお使いになったのでしょうねぇ…(遠い目)
ハートが二つ寄り添って矢が刺さっていましたしね…

そんなかんじで、出口にたどり着く頃には、ぐったりしてしまうくらいの凄い展覧会になっています。
レースの歴史を紐解きながら通時的に観られるのですが、その時代ごとに当時の職人さんたちの最高のお仕事が、これでもか、といったかんじで一堂に観られるわけで。
変わり種のレースでは、遺髪で織ったメモリアルなレースとか、ビーズを織りこんだもの、図録だと素材がわかりにくいけれど実物は金色の金属の糸とギンプで織られたブロンド(チュールレースの一種)とかも。
ミニチュアのボビンで、ちゃんとレースが織れてる作例ありの展示も、あ、こーいうの、欲しいかも♡とか思ったり。
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↑撮影OKな品も何点かありました。

それにしても、あんなコレクションを個人が所有し保管するって、ため息が出そう…
私みたいな小心者は、想像するだけで眩暈が…

日本で、こんな素晴らしいアンティークレースの数々を見せていただけて感謝です!

単に観に行くだけならあれですが、
じっくり堪能されたい方は、
まず、会場外で図録をご覧になって、目を通されるか会場にご持参されるといいかも。
レースの一部のお写真が掲載されているものもあるので、
図録に掲載されていない部分は、特に念入りにご覧になられてはいかがでしょう?

私は会場に入ってから、あまりの内容の濃さに、しまった!と思って、まず出口まで行って、図録を確認させていただいて(会場外の品でしたけれど、そごうさんの係員さんが見本を会場内に持ってきてくださって、感謝…)、
気になるレースの写真をチェックし、図録であとから細部をフォローできそうにない品を重点的に堪能できました。

時間があれば、一日中入り浸っていたいような、濃い空間でした…
糸始末どーしてるのかしら、とか、何ペアで織ってる?とか、どーやって織ってる?とか、これだけ大きかったら(テーブルクロスとか…)どこかパリ地やらかしていないかしら?(間違った鑑賞法ですが、1箇所くらいやらかしていてくれると親近感が湧くというもの…)とか、
そんな見方していたら、キリがございません…

メモは、とるなら、会場備えつけの鉛筆のようなものをお使いくださいとのこと。
ルーペも無料で貸していただけるようになっています。
アンティークレース展@横浜 <追記あり>_f0108001_12195590.jpeg
カメラとか写真の撮れる携帯端末とかも、あると、こんな風に、撮影OKな品は撮り放題…これは、ドレスの一部。
警備員さんも優しくて、至れり尽くせりでした。

ちなみに、このあとは京都、夏には松濤で巡回展があるとか。

結局、連休中は、レースはほとんどできず。
明日から、がんばります〜

by lacecafe | 2018-05-06 12:24 | ボビンレース
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