『4つのハート』からパリ・レースのものを。
©️2013Yuki Nakai
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ハートのまわりの斜線と縦ラインで構成された地織りが、いわゆるパリ・グランド、パリ地です。
その他のグランドも、パリ(レースの種類の名称です)で伝統的に使用されていたグランドです
パリは、基本的に、モチーフの輪郭に太糸を使います。
フランドルスに比べて、製図上の制約がゆるいし自由度が高いので、ハートのカタチがなだらかに。
ボルチェというかpeaというかも、ずいぶん丸っこいかんじになりました。
パリ・グランドは、サクサク織り進めることができるし、製図上便利なので、バンシュの製図でも個人的によく使います。
でも、モチーフを描出する際の糸の動かし方のルールはバンシュとは全くシステムが異なりますし、
見かけは同じパリ・グランドについても、実際に織るときは、本式のパリ・レースの場合、バンシュでパリ地を織るのとは根本的に異なることもありますので、
やっぱり、パリ・レースはパリ・レースという種類のもの。
それに、パリは表から織るのですが(バンシュもフランドルスもトーションもほとんどのレースは裏から織りますので、ピンを抜くまでは表の仕上がりは見られないというのが一般的)、織り終わりの糸の処理がまた独特。
今回は他のレースを連続して織る都合上、裏から織っています。
パリは、バンシュに比べるとグランドの選択幅は狭いですが、華やかなデザインをザクザク織っちゃえるかんじが好きです☆
(ギンプがあまり…な人なので、最近は遠のいていますけれど)
ではではこの辺で。